http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/09/22/13380.html
著作権を70年に延長することを求めているらしい。ちょっと待ってと思う。
著作権延長を求めるならば、主張とともに、義務を果たしていることを証明すべきだろう。権利が世の中に役立つことを示してほしい。
P2PやYoutubeでビデオや音楽を交換することは、違法だ。だからといって禁止せずに、考えて欲しかった。現状が世の中に役立っているかどうか。違法なP2Pソフトやサービスの台頭を許してしまった。それはなぜだろう。自己反省はないのだろうか。見ていると著作権を主張することに拘泥している。著作権を集中管理し、いかに次の創作に役立ててもらい、コンテンツを充実させる手助けを提供できるか。そのような視点はないらしい。
既得権を守ることに熱意を集中している。いわば、抵抗勢力だ。郵政族議員と何ら違いを感じない。
Winnyの作者を賛美することは出来ないが、彼が言いたいことはわかる。私なりに解釈すると、著作権を主張するばかりで有益な流通法を生み出していないじゃないか。という視点だ。私は、ブログで地方と都市部の格差について注力している。地方と都市部ではコンテンツ量に圧倒的な差がある。都市部ではジュンク堂や八重洲ブックセンターといった巨大店舗が存在する。アキハバラのようなメディアパークが存在する。地方には皆無だ。町の書店に並ぶのは流行のハリーポッターやナルニア国、のような書籍ばかりだ。だから俺は休みの日に往復2000円かけて大阪のジュンク堂に行かなくちゃいけない。腹が立つぞ。
ウェブ2.0の世界ではロングテールを取る取らないの話題が盛況だが、そもそも日本ではジュンク堂や八重洲ブックセンターのような巨大書店や渋谷タワーレコード(*)などがロングテール商品を豊富に提供してて、ネット以前にそういう土壌があった。一方で地方にはロングテール商品に接する機会すらない、新しいコンテンツがあることを知らない、存在を知ることが出来ない人は多くいるわけだ。これは怠慢だと思う。保護することで著作者の利益を損なっている。
(*)米タワレコは倒産したけどw
そこで本題だ。著作権は利益を独占できる代わりに、コンテンツに触れる機会を均等に提供する義務を負っているんじゃないか。果たして、いまのJASRACや出版業界はその義務を果たしているだろうか。答えは否だ。今や広く著作物を公開可能メディアとしてネットがある。Publisherはその役割を素直に譲る時ではないだろうか。
著作権は認める。しかし著作権を管理する団体や、現在の課金方式は捨てて欲しい。仮に70年に延長するのであれば、著作物の利用法や利用規約をもっと緩やかに出版やレコード業界を前提にしないモノに作り替えるべきかもしれない。そこまでオープンになる自己変革をした結果として、「オープン化で作者の収入が減ってしまいました。作者のためにも著作権を延長してもよろしいでしょうか。」といわれたら喜んで賛成する。
というか、出版業界やレコード業界は作者の利益をピンハネしてるイメージがある。私が買ったハルヒの代金全てが原作者に渡ることを私は望む(*)。著作者の利益を提供するのは消費者なのですが。消費者のためにならないならいらない法律だよね。より多く流通させるための著作権改革ならわかるが、既得権を守るようにしか見えない延長ならお断りだ。
(*)原価分は除いての話だが、ネットで公開すればそもそも原価とても低くなるだろう。