概要
GSuite(google workspace) 宛のメールを、独自のメールホストへ転送してGoogle アカウント管理下にないメールアドレスを使う。
前提条件
課金済み
重大な前提条件 Google Workspaceで課金済み。
課金しているGsuiteが必要です。歴史的経緯の無償版Gsuiteで使えません。
postfix などのメールサーバー
postfix単体が正しく設定されたもの。
デフォルトインストールでは、スパム処理や配送処理をしてないので、そのままでは内部転送が使い物にならないので devecot などIMAPを正しく設定しておいたもの( とりあえずmailcow いれとけばおっけ)
設定ステップ
設定は4ステップが必要
1.google admin でホストを追加
Google admin console にアクセスし、アプリからGmailを開いてホストを追加する。
2. google admin → gmail → でルーティングを追加
ルーティングを追加する。
ルーティング設定の概要は次の通り
- 対象経路
- 外部から受信
- Gmail内部から受信メール
- 対象メアド
- 受信者が一致
- パターンに一致
- 正規表現パターンに合致したもの
- 存在しないメールアドレス
- 受信者が一致
- 転送先
- 先程設定した mailcow サーバー
- バウンスメールはOP25Bのために転送されないので無視する
3 送信ルート・返信ルートをGmail経由にする。
mailcow posfixから直接相手に送信せずに、GoogleのSMTPを経由するよう設定する。
つぎに、PostfixのTransport設定する
トランスポート設定で、smtp-relay.gmail.com:587
をスマートリレーで設定する。
このとき、SMTP認証が必要になるので、Google Workspace中の適当な アカウントをless secure apps(安全性の低いアプリ)に認定するか、アプリごとのパスワード生成(2FA時)をしてリレーを設定すればオッケ。
もし送信元のmailcowが固定IPアドレスであれば、SMTP認証は不要なのだが・・・
mailcow の場合
mailcow で転送設定するなら。次のステップで
- 一般からSender Transportを追加
- ドメインから 追加したSender Transportを指定
mailcow にログイン して 右上メニュ → ルーティング → Sender Transport
右上メニュ→メールセットアップ→ドメイン→編集
ドメインが追加されてない場合は追加しておく。
4.posftix でメールボックスを追加
postfix でちゃんと配送設定を書いていれば不要。
mailcow の場合。
mailcow を使うなら設定をする必要がある。
mailcow にログイン → 右上メニュー → mailsetup → 真ん中タブ → mailboxes の順にたどってメアドを追加。
最後に
メールの送受信をチェックして終了。
Google のSMTP経由で送信されるので、うっかりSPAM判定されるということはまずなさそう。
受信もGoogle のSMTP経由から配送されるのでスパムフィルタもそこそこ動いてくれそう。
メールアドレスだけほしいために、Google Driveの容量とかGCPもAPI利用可能なアカウントを発行するのは煩雑すぎるしこれでいいや。
google workspace がメールのルーティング機能を提供してくれているとか優しすぎです。Postfixの地獄のセットアップ修行をしなくてもmailcow 入れていたらとりあえず動くのも幸せすぎます。
ただ、gsuite と同じドメインで、独自メアド運用すると、一部のgoogle accounts 管理やログイン連携がちょっと面倒なことになりそうなんですよね。
参考資料
https://support.google.com/a/answer/60730?hl=ja&ref_topic=2921034
https://support.google.com/a/answer/2956491#zippy=%2Cpostfix