- 作者: 森健
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2006/09/15
- メディア: 新書
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を読んだ。Amazonがなぜすごいのかがよく分かる。googleのできについては、Web進化論などでさんざん読んだが、Amazonにたいする文章が良い。
「Amazonコムとアマゾン ジャパン」は別物
これがハッキリ実感できる。本を読んでみて分かった。米アマゾンでは、商品に対するレビュー、評価、議論、Wiki、ブログなどを組み合わせてAmazonの商品ページに紹介される。これは、hatenaの商品紹介ページに非常に近いのではないでしょうか。つまりhatenaの仕組みがAmazon.comに近いってこと。日本のアマゾンにはまだ「隙」があるって事。日本のアマゾンの商品紹介は意外と簡素で、日本人好みの「間」が生まれるような設計に感じられる。
またアマゾンの機能で衝動買い誘発するrecommendation。それは独自アルゴリズムで出来ていて、それがIEEEに論文として提出されている。つまりオープンにされてる事を知った。楽天などはソレを研究し自社に応用しないんですかね。楽天などでも実に隙がありいつでも倒されておかしくないと思う。
GoogleがCheckout機能を提供することになり、gmail for your domain が Google Apps for your domain に命名変更された。これからAmazonとGoogleは顧客の奪い合いになるのでしょうが。日本で同じ事が起こるとしたら、完全にアメリカの会社の渦に巻き込まれる。日本独自で日本発信でシリコンバレーに殴り込める物が出来る日は遠いのでしょうか。
ロングテールだとか、Web2.0とか流行語を使ってる新聞雑誌はちょっと理解できない。
本を読んで実感したことですが「よしこれからはロングテールを取れ」。それは簡単じゃないって事。
ロングテールをとれるのはGoogleにしろ、Amazonにしろ強大な技術力があればこそ。ロングテールはあまりにコストがかかる上に、儲からないので無視されてきたわけです。そのコストをゼロにする技術を持ってるからロングテールがとれる。その技術はヘッドを取るために実現されたものであってロングテールを取るために実現されたものではない。なおかつ、ヘッド取ってあまりある経営資源がロングテール取得を可能にしている。
金持ちは、ますます金持ちに。
書籍の言葉を借りればこうなる。ロングテールの概念はオモシロイけれど、じっさいその獲得が出来るのは一部のヘッド企業だけなんだなと理解した。(またはニッチ分野)