僕は簿記の素人。僕はプログラマ。僕の実家は建築業。だから実家にある簿記の本に教わりながら頑張って理解した。
プログラムの開発を工事進行基準会計に変えなきゃならないらしい。
このような進行基準会計を導入すると、上場ソフトウェア業界はとても助かる。オレはすばらしいアイディアだと思った。
ゲームソフト開発・映画開発、そして建築業界。はこの恩恵を上手に生かしている・。
そもそも工事進行基準って何なんだろう。拙い会計の知識で頑張って理解した。1年前の話。
工業簿記というのがある
普通の簿記 受注⇒仕入⇒販売 工業簿記 受注⇒原材料仕入⇒生産・工事⇒販売
が大きな違い。ポイントは加工費用を持っているということ。
加工品を簿記でどう表現するか
加工品は次の価値で表現される。
加工品 = 原材料 + 人件費(工賃)
加工品を販売して売り上げた場合は
売上 = (材料費)+加工費用 +利益
になる。
ここでややこしいのが工事費用。受注から納品までが1ヶ月程度の加工で在れば通常の簿記と同様に扱える。2年、3年になるとどうするのか。ここがポイント
加工中・生産中の商品を資産計上しておかないと大変
使った人件費がまるまる赤字になってしまう。これでは国税局は徴税できない。株式会社なら株主に会計期間の会計が正しく伝わらない。
仕掛品を使う
うちの実家の建築関係の場合
仕掛品=未成工事支出金
ソフトウェア業界であれば、開発中のプログラム。
何でこんな事をするのか。
無い頭をひねって考えた。このような場合の会計処理が大変だからだ。
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2年掛けて開発してきて納品直前に納品先が倒産した。
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工事が終わるまで、持ち出し超過になる。自転車操業に陥りやすい。
これはゲームソフトでた例えるとわかりやすい。
3年、10億かけてゲームソフト超大作を作る
4年目に大ヒット、12億の売上げ
1億赤字です。これって変だよね。
12億の売上げに対する法人税は3億程度。手元に9億残りました。差し引き赤字。
工事進行基準でなにが変わるか。
4年12億で会計システムを受注しました。
利益は2億です。
3年、10億かけて会計システムをリプレースしました。
ソフトの開発の区切り単位で、3億円づつ支払いをもらいました。
4年目に最後の3億をうけとりました。
毎年、キッチリ支払いを受けるということがミソ。工事の区切り単位で支払いを受けるからね。
で、実際にどうやるか
数年にわたるプロジェクトを運営している業界は、映画と建設業だね。
映画・アニメは○○制作委員会
巨大建設はJV方式
どちらもプロジェクト法人を作ってそこで管理している。
どちらの業界も似た方式で管理している。受注資金や発注、納期管理をプロジェクト毎に行っている。
特に元請け、子受け孫請け、ひ孫・・・とややこしく、参加者が多い場合はこちらが好まれるようです。
LinuxとGNUがこれを加速させる・
Linux採用とかは1社に丸投げを阻害するので、JV方式が加速するんじゃないかな。
IT業界も、派遣、受託、客先常駐・・・参加者増えて、この方式になっていくんじゃないかと。
支払いのタイミングをどうするんだろう。
建築なら簡単
10Fマンションの1階ずつ支払う
映画も簡単
全シーンのうち何%の撮影と編集が終わったか
ITは大変
全行程をどうやって把握するんだ。←いまここ
受託開発も同じ流れだろう
なんかITにおける工事進行基準がどうとうか、子会社までの管理を徹底するとか、見積もりも支払いの対象になるとか、そんなおいしいことをいってる本も多いけれど。
中小の建築業は今でも見積もり、仕様策定はサービスだよ
IT業界だからと言って見積もりにコスト発生なんて慣習的に無理なんだろう。
プログラムが技術ではなくなった。
進行基準になるとプログラム作成は作業である。技術ではない。美しいコードなど迫り来る納期の前では無意味だ。美しいコードなど見積もりに含まれないのだから。