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タイムゾーンの和訳を考えてみる。標準時・標準時間とか

タイムゾーン

コンピュータ用語を何度見ても邦訳されてない。タイムゾーンはなぜ英語のまま使われるのだろうか。

タイムゾーンとは同一の時刻を使う地域のことである。日本ではJST日本標準時)を使う。

タイムゾーンで一番見かけるのは「標準時間」である、これは絶対に誤訳である。とくに時"間"が良くない。また標準時は時間帯とも邦訳がある、ただ時間帯は常用されないだろう。タイムゾーンの適切な邦訳が「時間帯」であるとは到底思えない

なぜから、時間帯は、午前中・午後のような時間帯を荒らすことが多く、「日暮れの時間帯」「勤務の時間帯」のような日中時刻から日中時刻への「範囲」で使われすぎている。

果たして、タイムゾーンは直訳の"時間帯"でいいんだろうか

日本語では、時刻・時間が混同して使われるため、時間帯では意味範囲があまりにも不明瞭ではないか。

標準時

タイムゾーンとは同一の時間を使う地域=標準時なので、標準時を使えばいいと思うのですが、標準時では「ゾーン=地域性」の意味がトンでしまっていて元の意味には近くない。

標準時は、タイムゾーンで現在指し示す「時刻」を表しており、時間に意識が向かってしまう。

タイムゾーンとは

「経度により定めた国別の標準時を使う地域」=「タイムゾーン」という意味になると思う。

タイムゾーンは、そこから逆に使われ「コンピュータのタイムゾーン設定」のように、時刻をどの標準で掲示するかという意味になる。

UTCは協定標準時

時差を考慮しない時刻はUTCとして扱われる。UTCグリニッジ標準時をベースにして英国標準時GMTと同時刻であるとはいえ、時刻はすべてUTCとして扱う。

昔はGMTを世界時と読んでいたが、現代語は"日本時" "世界時"では使いにくい。前後の文脈がないと通用しない。たとえば、飛行機内アナウンスで到着時刻案内で日本時と言われたらJSTとすぐわかる。

時刻と時間のちがい

日本語の時間・時刻の意味は本当に曖昧である。到着時間・出社時間、到着時刻・出社時刻としてどちらでも通用する。時間と時刻はほとんど区別されない。

また、時刻は「タイムスタンプ」という意味も強く、出社時刻と言われたら「今日の出社時刻」「昨日の出社時刻」を指す。

時刻には刻む(キザム)が入ってる。時間を石版など改竄不可に刻む(=彫り込む)ので、時刻とはタイムスタンプである。

また刻むのは時間の「点」であることから、点の時間を示すのが時刻である。時刻は時の流れの一点を示し、時間より指し示す範囲が小さい。

このことから、時刻・時間・時は次のように違いがある。

時刻は「点」であり、時の一点を示す。

時間は「あいだ」であり、時の一定の範囲を表す。

時は流れるものであり、時とは私達が生きる大きな流れの意味を表す。

JSTを日本語で表現する場合は、時刻では狭く、時間は流れないため、"時"を使う。そのため「JST=日本標準時」であろう。

標準時刻・標準時・標準時間

さきの"時間・時刻・時"の違いを考えれば、UTCは「標準時」と呼ぶのが正しく、UTCを「標準時刻」「標準時間」と呼ぶのは相応しくない。

UTC=標準時と呼ぶ時でもタイムゾーンは邦訳が難しい、"標準時"が地域標準時であり、地域毎に時刻に時差がある。その地域による時差をタイムゾーンと呼ぶのであるから、地域別標準時が時刻である。そのため地域標準時で邦訳は十分な気もする。

しかし、地域標準時を使った場合では「select time zone」を「標準時の選択」訳することになり、同一時刻の地域の"地域"の意味がトンでしまうのである。タイムゾーン選択はAsia/Tokyoのように地域・都市の選択で行う。タイムゾーンは地域を示すのであって地域で使われる時刻を表すわけではない。

等時帯

実は、「等時帯」という素晴らしい邦訳があるが、現代語ではあまり使われていない。

等時帯はIMEで変換候補になかなか出てこない程には使われてない。

等時を選んだ理由を想像してみる。等時帯の代わりに同時帯では"同時"が頻出語であり避けられたのだろう。同時帯を使うと"同/時帯"ではなく"同時/帯"とよまれてしまい、"同時"が強すぎて読みにくい。そのため"同時"ではなく"等時"帯を選んだのであろう。良く考えられている。

等時帯は、なかなか良くできた邦訳なのに使われてない。"等時"が日常語と離れすぎており、受け入れ難いからだろう。

同一標準時地域帯

たぶん、現代日本語でタイムゾーンを表現すると、「同一標準時の地域帯」とするのといいのだろう。だが、長過ぎる。「地域標準時の地域」だと地域の重複が苦しい。「地方標準時地域」だと、地方は"田舎"の意味を強く巻き込んでくるので辛い。

英語でのタイム

日本語で時間・時刻が曖昧なのと同様に英語でもtime は曖昧である。timestampが時刻、time allocation が時間配分ように、timeに訳語を与えるときに時間・時刻・時から選ぶとよい。ただタイムゾーンのtimeはどうだろうか

タイム・ゾーンでのタイムは、時刻・時間ではなく時差を表す"タイム"と考えると適切なのだろう。

タイムゾーンタイムゾーン

このことから、タイムゾーンタイムゾーンとしか言えないのである。

そして"時"を表すのに、標準時間はやっぱり良くない。口頭では「時」は伝えにくいため「標準時間」と呼ぶことになるであろう。それでも口語表現と文語表現を分け、UTCを表記するときは「標準時」で有るべきである。

もし、日本語訳を入れるなら「等時帯」「標準時帯」が相応しいのではないかと思う。

他にあるとすれば、「時差帯」である。UTCとのズレがタイムゾーンであり、時差は他意味を巻き込まない。"時差"だけで地域の意味を包含できる。よって時差+帯=時差帯を使うと適切ではないか。時差帯をおすすめしたい。