関西に住んでいるとPitapaが便利だ。Pitapaは便利だが、電鉄会社合弁企業のんびりゆったり経営なので仕組みがわかりにくい。
そして大阪・京都・神戸を飛びまわるため、Pitapaを重宝してます。
なぜこのエントリを書いたか
昨日、山陽電鉄で定期券を買おうとした。定期売場の職員がPitapaの基本を知らないことに驚いた。そりゃダメだ。普及せんわ。電鉄会社の定期窓口でさえ知らない。職員が知らないんだ。Pitapaの案内すらまともに出来ないんだ。説明できないから、お客もちんぷんかんぷんになる。そんなに複雑でもないぞ。
Pitapaの基本
- Pitapaは電鉄会社がそれぞれ発行している。
- Pitapaはどのカードでも機能は同じ。
- PitapaはJR西で使えるが東京では使えない。*1
2011-11-01追記
まれに各ピタパ独自割引がある。例えばOSAKA-Pitapa限定のキャッシュバックキャンペーンがある。地下鉄一駅100円キャッシュバック(2011-10-01〜 2011-12-31がそれ。阪急も区間指定のキャンペーンをやっていたが現在はない。実質独自なのはOSAKA Pitapaである。
2011-11-01更に追記
Osaka Pitapa京都プラスは大阪市営地下鉄一駅キャッシュバックキャンペーンの対象に含まれるとのこと。
Pitapaの割引の基本
各電鉄毎に割引は違うが、発行元が違っても同じ割引を受けられる。
たとえば、Osaka Pitapaを使ってて、京都河原町〜阪急梅田を11回のったら、回数券代金になる。
ただし大阪市営地下鉄だけ、回数割引がない。利用額割引なので注意。ここは後述
Pitapaの割引の種類
割引には2種類あり、これら割引はどの電鉄会社でどのPitapaでも受けることが出来る。
- 回数割引
- 区間割引
区間割引は事前申し込みが必要。(最近は定期サービスもある、後述)
Pitapaの発行元
Pitapaは各電鉄会社がPitapa機能付クレジットカードを発行している。
- 電鉄会社が発行するピタパ(クレジット付)*2
- Pitapa事務局発行のピタパ(クレジット無し)
ここまでのまとめ
- 区間割引・利用額割引はどのPitapaでも同じ
- 定期利用できないカードがある
- Osakaピタパは定期利用が不可能
- 京都ピタパも定期利用が不可能
京阪カードで近鉄乗れる。
京阪のピタパ(e-kenet PiTaPa / イー・ケネット ピタパ)で「阪急・近鉄・JR」も乗れます。
京阪のピタパで神戸市営地下鉄も乗ることが出来ます。
京阪のピタパJR西日本も乗れます。
もちろん割り引きもあります。
回数割引も適用されます。
ココがわかりにくいところ。回数割引も適用されます。
- 京阪カードで阪急電車を15回乗ると回数券代+αになります。
- 大阪ピタパで阪急電車を15回乗ると回数券代+αになります。
あ、でも
大事なので2回言いました。
再発行できます。
一般のSFカードと違い、ICカードは再発行が可能です。
SFカードとはプリペイドのことですね。(Stored Fare)。具体的に言うと、ラガールカードやレインボーカードといった先払いの磁気カードです。磁気カードは紛失したら終了。でもICカードは再発行が出来ます。
Pitapa利用上の注意。
以下の欠点を読むと、Pitapaを申し込む気が失せます。
- 切符買えない
- 一日乗車券も買えない(一日乗車券扱いにならない)
- 昼得回数券と組み合わせられない。*3
- 回数割引は1ヶ月毎精算
ひとつずつ説明していきます
切符買えません
ここは勘違いされるのだけれど、切符が買えません。ピタパのチャージ分で切符を買えません。JR切符は買えるのですが、Pitapaエリアの私鉄切符をピタパで買うことが出来ません。
切符買えないので一日乗車券を買えません
私鉄で、一日乗車券をPitapaで買えません。Pitapaでは絶対買えません。切符買えないのと同じです。一日乗車券や回数券も買えません。そしてノーマイカーチケットも買えません。致命的です。Pitapaでタッチより、一日乗車券買った方が安いです。
2011-11-01追記
ノーマイカーフリーチケットはなくなりました、一日乗車券とノーマイカーフリーチケットの区別がつかないので、エコカードに名前を統合しました。土日が600円、平日800円。だそうです。
昼特回数券と組み合わせて精算できません。
これがすごく重要。ものすごく重要です。
天下茶屋〜四条河原町まで行くとき、梅田〜河原町の回数券と組み合わせて乗れません。乗れません。もっと重要なのがチケットショップの昼特とPitapaを組み合わせて使えないことですね。これ四条河原町でだいぶバトったのですが30分粘っても答えはノーでした。特に相互乗り入れをしている区間でこのミスをやってしまうと致命傷になる。
大事なので再度確認、昼特とPitapaの組み合わせは、面倒だ。
乗車駅 |
降車駅 |
利用可能性 |
Pitapaで乗る |
昼特と組み合わせる |
不可(相互の乗り入れ) |
Pitapaで乗る |
昼特と組み合わせる |
同一車線なら窓口でワガママ言えば可能 |
昼特で乗る |
Pitapaで精算 |
可 |
切符で乗る |
Pitapaで乗り越し精算 |
可 |
基本的にPitapaで乗ったらPitapaで降りることが必須
「梅田〜河原町」の回数券と「天下茶屋〜淡路」の回数券だと乗車可能だが、Pitapaでは、回数券と併せて精算できないのです。pitapaは安くない理由がこれです。
回数割引は1ヶ月毎精算。
回数券と回数割引の大きな違い。それが1ヶ月縛り。これもPitapaが安くない理由です。
阪急の場合
種類 |
割引率 |
有効期限 |
ピタパ回数割引 |
9.1%(10/11) |
1ヶ月(1日〜月末締) |
土日回数券 |
28.6%(10/14) |
3ヶ月以上 |
時差回数券 |
16.7%(10/12) |
3ヶ月以上 |
回数券 |
9.1%(10/11) |
3ヶ月以上 |
Pitapaだと、通常回数券扱いです。全然安くないですね?
安くないよね?
さて、どれが一番お得か分かりました。そもそもピタパにオフピーク割引がないことが原因です。導入されると良いですね。
ちなみにPitapaの場合は少し計算が違ってて、11回目から20回目までの料金がずっと9%オフなのですが。。。
結論毎月5回以上20日未満(土日以外)であればPitapaがお得なのです。
だけど、そんな条件で電車を利用する人は殆どいないよね。土日を除いた10日前後利用するなら定期買う人が殆どでしょう。
通勤定期は20日分なのですが、定期は途中下車が出来るし『1〜月末締め』なんて制限無く30日使えますよ。
また、会社で回数券買って、共同利用していてるなら、ピタパ圧倒的に不利です。チケットショップで切符を買ってる人もピタパは圧倒的に不利です。
大阪市営地下鉄マイスタイル割引
大阪市営地下鉄の同一運賃区間であれば、上限以上の課金が発生しません。
ただし、これでも半年定期より高いです。残念。途中下車も出来ません(例外はありますが)
バス地下鉄、地下鉄バスの乗り継ぎなら自動的に100円引かれます。
大阪市営地下鉄は頑張ってアイディア出してるね。
さて、ここからが問題なのですよ、これがピタパのわかりにくいところ
Q大阪市営地下鉄のマイスタイルを利用しつつ、阪急のPitapa定期もまとめたい。
A:どうやら無理です。諦めましょう。Pitapa二枚持ちましょう。もしくはOsakaピタパ諦めてスタシアにしましょう。
Q大阪市営地下鉄のマイスタイルを利用しつつ、京阪の区間指定割引を利用したい。
A:可能です。やりましたね。でも区間指定割引は定期より割高です。諦めましょう。
A:京都市営地下鉄は回数割引ではありません。3000円分の回数カードかった方が安いよ
Q JRと山陽と大阪市営地下鉄を乗り継いで通います。
A:Pitapa2枚とICOCAの合計3枚もってください。もしくは大阪ピタパ諦めましょう。
とまぁ、もうねめちゃくちゃですよ。
Pitapaを複数枚とか当たり前です。全然ワンストップじゃなくなった。僕は現在3枚持っています。改札通るときに出すのが不便で仕方ない。
もともとワンストップで済むはずのPitapaが複数枚あることにイライラします。そして独自企画で協調性のないJRグループにはもっと腹が立ちます。
Pitapa3枚ですよ!!すごく不便です。改札で怒られます。ちゃんと別々に分けてください。でもね。3枚も定期ケース持ち歩けません。
ところが複数枚を改札に通しても技術的に検知可能
これは中の人から聞いたのですが、複数枚を改札にかざしたとき、機械側で全部のカードを別々に認識できます。ええ、複数カードをまとめてかざしても機械にはどのカードか分かるのです。
それでも、複数枚をいれるとエラーになります。なぜでしょう。それは課金すべきカードの区別がつかないからだそうです。残念ですね。
ピタパ定期券が入っていればエラー無く改札チェックできますが、各社にまたがった為、ソフトウェアの更新すらポリシーが違っていて面倒なようですねぇ。
「複数枚でのタッチはおやめください」と言われても、現実的に無理です。
とまぁ書いていてなんだけど。
最後にどんでん返しが来るのです。ええ、Pitapaポストペイはオフピーク割引の可能性を秘めた良いサービスだった。だけどわかりにくすぎたのです。
と言うことで、連絡IC定期の登場を待ちましょう。
ピタパの秘める可能性。
ここでちょっと、話題を変更。Pitapaの未来像について。Pitapaはポストペイです。ポストペイには無限の可能性が広がります。従来の切符と定期の概念を覆します。ピタパには無限の可能性が秘められている。
- 未来1:時差通勤割引(オフピーク割引)
- 未来2:駐輪場と連携
- 未来3:統合社員証
- 未来4:改札抜けたらご飯が炊ける
- 未来5:会社共用ピタパ
未来1:時差通勤割引(オフピーク割引)
通勤時間を前後にズラして、料金割引が可能。
ピタパ定期がポストペイなので、時差通勤に割引が出来る。
ラッシュ時に電車が遅れたり、ピーク時体制の維持がコスト。なので、時差通勤の実績に応じて割引が可能。乗車記録を使った割引なので実現可能。定期券+割引の組み合わせが実現すると良いな。
逆も可能。電車遅れた日は「払い戻し!」これすら実現可能です。
未来2:駐輪場と連携
駐輪場にピタパがあると便利よね。
輪場係員を削減できる。100円の現金収受コストが要らず、手間いらず。管理員も数多く要らない。月極駐輪場は、使わない日がある。雨の多い6月などはなおさら。バスが多くなる。もったいない。月極の駐輪場を確保しつつバスで通勤。あり得ない。そこで、バス+駐輪場を合算しで30日の利用分請求してくれればいい。使った分に応じて割引されるので、バスの多い月は、駐輪場支払い回数を抑えられる。
さらに、さらに、雨の多い六月には駐輪場に空きスペースが多くなる。そこで、駐輪場を割引し、利用促進ができる。逆に雨の6月に混雑するバスは、割引をしない、など。これもオフピーク割引。事前申し込が要らず一括引き落としだから出来ること。ピタパの偉大な未来です。
未来3:統合社員証(学生証)
実は、これ電鉄会社の社内で、実現されているようだ。
「通勤定期・社員証・入館証・パソコン利用・個人証明」が1枚に統合された社員証。*4コレがあれば全て出来る。会社内でカード多すぎですよね。Pitapaだと1枚に統合できるそうです。多すぎるカードを統合できると便利ですね。
会社が、通学定期を支給することで、通勤費の現金収受せず、電鉄会社へ一括払いする可能性もある。小学生の通学定期と入館証。子供がちゃんと学校に行った(塾に行った)かすぐ分かります。コレも実用化されてるそう。
未来4:改札抜けたらご飯が炊ける
改札にタッチするとメールが送信される。これを応用すると・・・驚きです。
梅田でタッチ--->メール送信--->自動化処理-->エアコン起動----->家に着くと暖かい。
梅田でタッチ--->メール送信--->自動化処理-->炊飯器起動 ----->家に着くと炊きたてご飯
梅田でタッチ--->メール送信--->自動化処理-->お風呂お湯張り----->家に着くとすぐに風呂。
梅田でタッチ--->メール送信--->自動化処理-->自動帰るメール----->パパ帰ってくる!
梅田でタッチ--->メール送信--->自動化処理-->自動帰るメール----->旦那帰ってくる逃げろ!
この可能性を秘めたサービスがピタパ・グーパス(現在は終了)。
もうね、主婦要らないね。ご飯もお風呂も、Pitapaをトリガーに自動処理できる。GPSいらないね。給湯や室温を移動に合わせてコントロールするので、エコだ。まぁメールは簡単に盗聴されるのでプライバシー筒抜けですけど。
未来5:会社共用ピタパ
会社内で回数券をストックしていたり、チケットショップで買っていることがあるが、会社全員のピタパの課金一括管理できることになる。そうすれば、無駄に切符をストックしなくて済み、会計が発生主義に基づく綺麗な会計になる。
Pitapaは安いのか?欠点はないのか?
あります。欠点だらけです。そして安くありません。